「学ぶことは生き延びること、未来が広がる」学ぶ権利の保障を

1/26(土)「夜間中学 神奈川の交流会」が海老名市総合福祉会館で開かれた。夜間中学を市民が自主的に運営している会を中心に県内5団体から22人の参加があった。

冒頭に「こんばんはⅡ」が上映された。大阪の公立夜間中学校では、「貧しくて学校へ通う服が無く雨が降れば傘もなかった。」「給食代が払えない」と子供時代は学校に行けなかった中高年の女性たちが、夜間中学で「人間の体は凄い、精密機械のようだ!」「自分史を書きたい」と目を輝かせて語っていた。「男は社会に出るから貧しくても学校に。」との社会通念から生徒は女性が多い。松戸市の民間団体の夜間中学校では不登校で形式的に中学校卒業となった15歳の少年が「学びたい」と通っていた。貧しさよりも不登校の生徒が多い現状が描かれていた。

各地の活動では、外国籍の子どもへの学び支援の報告も多かった。「つるみえんぴつの会」では、共働きの家庭が殆んどである外国籍の小中学生の居場所になっていること、バブル期に出稼ぎに来た両親も教育を受けていないので負の連鎖を断ち切るためにも、子どもたちへの支援の必要性を訴えた。「あつぎえんぴつの会」では「学習したい人の場・学習者とスタッフが、学習を通して共に学ぶ場・ここに集うみんなの会」と位置付けて活動している。

様々な事情で義務教育を修了できなかった人は、2010年国勢調査で12万8千人いることが判明した。教育機会確保法が2017年2月に施行され、文科省は都道府県に1校の夜間中学設置目標を挙げた。神奈川県は横浜市と川崎市に1校ずつ2校がある。しかし市外からの通学は基本的にできない。県教育委員会は2016年度に中学校夜間学級等連絡協議会を設置し川崎・横浜を除く市町村教育委員会と連携して対応を図っている。夜間中学校への通学意識へのアンケートでは県央地区は全体の40%の回答があり、希望者が多い。海老名市の形式的卒業生などを調査し、学び直したいときに学ぶことができる仕組みをつくっていくことを提案していきたい。

「わかった」が自信になり、「生き延びることができる。未来へ繋がる。」と夜間中学に通い続ける方々。その笑顔が教える側の喜びとなっていることが実感できた集まりだった。

「こんばんはⅡ」上映と「夜間中学について考える会」を3月16日(土) 13:30~14:30 海老名市文化会館301で開催。講師は「あつぎえんぴつの会」代表の岩井富貴子さん。参加費無料。皆さん、是非ご参加を!