人権週間に鶴指議員問題を考える
11月29日未明に鶴指真澄海老名市議会議員が「同性愛は異常なのだ。異常人間の行動を正当化した報道はするな。」等のツイッターへの書き込みに対し、多くの批判が集中し、ツイッター炎上事件が起きました。
批判の多くは同性愛への無理解と人権の否定についてであり、公人として許せるものでなく、辞職を促すものでした。さらには、議員として選んだ海老名市民、その存在を許している海老名市・海老名市議会への批判へと広がっていきました。
11月30日、議会は代表者会を開き、公人として軽率な行動に対して厳重な注意をし、自らの考えを整理し、議会に報告するよう求めました。その上で、必要あれば、議会として次の対応を協議することになりました。12月2日全員協議会を開催し、本人から議会への謝罪と自分の進退について―①12月の議会は謹慎し、欠席とする。②12月の報酬は供託する。③ツイッターの閉鎖④会派を離脱⑤基地対策委員長の辞任―の報告がありました。本人の反省が不十分であること、陳情3・.抗議文1を始め多くの問い合わせが殺到していること(約300件)など、社会的責任の大きさを再認識した議会は「議員辞職勧告」を議員提出議案とし、12月3日の本会議で賛成多数で議決しました。
「人はそれぞれ違っていていい」とは、ジャーナリストむのたけじ氏の言葉にありました。違いを認めあうことが存在を認めることになり、民主的な社会になります。性的マイノリティを否定することは人権侵害です。基本的人権の尊重は日本国憲法の3大原則の1つで、国民は保障されています。まして、議員は憲法を護るべきですから「同性愛は異常なのだ」の発言は許されるものではありません。また、「異常人間の行動を正当化した報道はするな。」は放送への弾圧・言論の自由への批判と受け止められます。相手を否定した言い方は言論の自由とはかけ離れた発言で、ヘイトスピーチにつながります。こうしたことから、私は鶴指議員の議員辞職勧告議案に賛成しました。
今回の事件への批判は海老名市議会議員一人一人に突き付けられ、議会の姿勢が問われています。「生き方・言論の多様性を認めるまちづくりをめざした議会運営をしていくこと」を議員辞職勧告議案に入れるように、私の所属する「いちごの会」から提案しましたが、2つの趣旨を入れることはできないと、その文は却下されました。性的マイノリティを始め、社会的マイノリティへの理解を深める議員研修が必要と考えます。
この事件ではSNSの在り方も考えさせられました。顔の見えない、匿名で意見が言えることは、だんだんとエスカレートし、弱いものを見つけると大勢で攻撃する弱いものいじめへつながっていってしまう危うさがあり、投稿側の他者への配慮も必要です。
12月4日から「人権週間」がはじまり、12月10日は人権デイです。それぞれの違いを認め合い、多様な生き方ができる社会にしていくこと、特に声を挙げにくい、子ども・高齢者・障がい者等の立場の代弁者として、これからの議員活動を進めたいとあらためて思いました。