川崎はかって公害の街でした。 しかし、今の川崎はエコタウンへ変身中です。バイオマス、太陽光、小型水力等の自然エネルギー発電に取り組んでいます。私は8月18日(木)神奈川ネットの「脱原発!地域エネルギー政策PJ」主催の見学会(バイオマス発電所・太陽光発電所)に参加しました。
臨海埋め立て地にある発電所への往復は100%バイオディーゼルのバスを利用しました。バイオディーゼルの原料は廃食油。20年前から廃食油を集めて石鹸にする市民事業を基に、環境に関心のある市民を取り込んで始めた「かわさきかえるプロジェクト」と川崎市との協働の取り組みで、バスを走らせています。もちろん、民間バス会社の協力も欠かせません。廃食油の燃料化は地域エネルギーの資源循環モデルと言えます。
川崎バイオマス発電所は民間が手がけた環境に配慮した「都市型バイオマス発電所」です。近郊で発生する住宅廃材・家具・剪定樹木等をチップ化する工場と、それを焼却した熱で発電する工場を隣接し、一貫したリサイクルシステム構築していました。年間18万tの木質チップを燃料に33,000kw発電し、38,000世帯の1年分の電気量を賄えます。木材を燃料とすることで化石燃料を使用せず、12万tの二酸化炭素を削減出来ます。また、原料が近郊からであること、燃料チップは隣接工場からベルトコンベアで運ばれることで、運搬で排出される二酸化炭素を削減しています。エネルギーの地産地消です。2011年2月に稼動したばかりの発電所、3.11の時はチップのコンベアが一時止まっただけで、すぐに再開できたそうです。焼却灰はセメント材料として売却しています。原子力発電はすぐに止めることはできません。そして、放射性廃棄物の処分方法も定まっていなのです、危険な発電システムです。再生可能なエネルギーへシフトしていく必要を痛感しました。
夏の太陽で眩しい一面のパネル畑、8月10日稼動した浮島の太陽光発電所を見学。川崎市が保有する土地に東京電力が建設・運転するメガソーラーで、最大出力7,000kw、年間740万kw発電し、2,100世帯分の1年分の電気量を賄う予定です。ゴミ処分の埋立地には20年間一般建築物は建てられないので、太陽光発電に取り組もうとしていた東電に貸し、川崎市は「カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略」の地球温暖化対策の推進を図りました。しかし、20年後の返却時のパネルの再利用は未定と聞き、気になりました。
福島原子力発電所の事故から、6ヶ月が過ぎました。収束への目途は未だ立っていません。安定供給と低単価で、原子力発電は政府と産業界が一体となって推進してきましたが、一度事故をおこすと、その影響は全世界の生物に影響を与えます。節電とエネルギーの地産地消をはかっていくことは必至です。未来の子供たちへ大人の責任です。地域にあったエネルギーを考えていきたいと思い、海老名ネットでは学習会を計画しました。
「エネルギーシフトを地域から考える」9月10日(土)10:00〜12:00 海老名市総合福祉会館2F 研修室 講師:山崎求博さん(NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネット江戸川副代表理事)参加費:200円