人道支援を可能にしていた「日本」ブランド 2/9 We講座

2017年2月12日 16時29分 | カテゴリー: 活動報告

傘を差しながらグランドで大学入試を受ける男子生徒、これが今のアフガニスタンの教育環境です。一方で、緑豊かな穀倉地帯の風景。ヒマラヤ山脈に連なる高山からの雪解け水が流れる川の灌漑施設が紛争で壊される前のアフガニスタンです。プロジェクターで映し出されたアフガンの現状とその支援の在り方にぐいぐいとひきつけられていきました。

旧ソ連の軍事介入を撤退させ、統治していたタリバン政権を、2001年9.11のテロリストのオサマ・ビン・ラディン氏を匿ったとして、アメリカ等のNATO軍が戦争を仕掛け始まったアフガン紛争。同年10月にタリバン政府は崩壊し、以降、国連の主導によるアフガニスタン復興と治安維持が行われています。南部を中心としてタリバン派の勢力が攻撃を行っており、アフガニスタンの治安は現在も安定していない状況です。

JVC(日本国際ヴォランティアセンター)は12年間におよび、NGOとして、アフガニスタンへ人道支援を続けています。担当の加藤真希さんから、2016年12月に現地を訪れた報告「アフガニスタンの未来をつくる教育支援」を聞きました。

ロープロファイル(目立たない態度,控えめ な態度)として、一切の武器を持たず、現地になじむように男性はひげを生やし、女性はスカーフをかぶり支援に入っていきます。診療所に保健委員会を組織し、軌道にのってきたので、JVCからアフガニスタンの人達へ管理運営を移行することが、今回の訪問の大きな目的です。そして、今後の支援は教育。男性でも3割の識字率を上げ、健康教育・平和教育に力を入れていきたいとのことです。校舎を建てるより、先ずは教師を育てること、現状にあった教員同士の学び合いで、押し付け的な授業から参加型の楽しい授業へと習得できるように支援していくことがすでに始まっています。また、幼い兄弟の夢は、「父を殺した反政府軍の兵士を仇討したい」と聞いたことから、紛争によって荒廃しきった子どもたちの心がイスラム国やタリバン等のテロ組織へなびかないように、平和教育に力を入れていきたいとのお話しでした。村の学校を拠点として仕組みをつくり、定着したら現地に運営を移管していくことを目的に支援しているということです。持続した社会づくりこそ、アフガンの未来づくりです。

「日本」ブランドは紛争地帯のNGO活動に役立っているということです。日本は憲法9条の下、武器を持たず人道支援に徹してきたことで、現地から厚い信頼を得ているということです。しかし、安倍政権で集団的自衛権の行使が承認され、安保関連法制が成立し、戦争のできる国となってしまった日本。今後、このようなNGOの人道的支援は入り難くなることが想定されます。戦争に正義はなく、犠牲になるのは民間人、市民です。宗教・文化の違いを認め合い相互理解を深めること、そのためにも民際・国際交流は重要です。争いの原因となる貧困・差別を撲滅し、自立につなげることが日本の国際社会での役割だと痛感しました。